「非常持ち出し袋、何を入れたらいいか分からない…」「ネットの情報が多すぎて、何を信じればいいのか」そう感じていませんか。
私は防災士の青木 大喜(あおき たいき)と申します。高校1年生の夏、父に連れられて平成30年7月豪雨(西日本豪雨)の被災地に入り、瓦礫の撤去と土砂出しのボランティアに参加しました。そこで目にしたのは、ネットの記事には出てこない「現場の現実」でした。
この記事では、その実体験をもとに、次の3つをお伝えします。
- 被災地で「本当に役立った」ものTOP10(生の現場視点)
- 一般的な防災情報が見落としがちな3つの盲点
- 賃貸マンションでも無理なく揃える、月3,000円スタートの備え方
「家族の安全を、無理なく着実に守りたい」――そう願うあなたに、煽らず誠実にお届けします。
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結論:本当に必要だったのは「水・トイレ・情報」の3つ
結論から書きます。被災地で「本当に必要だった」と被災者の方々が口を揃えて話していたのは、次の3つでした。
| 順位 | カテゴリ | 必要量の目安(家族4人) |
|---|---|---|
| 1 | 水 | 1人1日3L × 7日分 = 84L |
| 2 | トイレ | 1人1日5回 × 7日 × 4人 = 140回分 |
| 3 | 情報 | 手回しラジオ + 携帯充電手段 |
「最強の防災セット」「絶対に必要な30点」より、まずこの3つから揃える。これだけで、72時間を生き延びる土台はできます。
なぜこの3つなのか。次のセクションで、現場で実際に何が起きていたかをお話しします。
なぜ「本当に必要なもの」は意外と知られていないのか
ネットには「防災グッズおすすめ」が溢れています。でも、本当に被災現場で必要だったものは、なぜか共通して語られていません。理由は3つあります。
理由1:防災情報の多くは「平時」に作られている
- ライターは現場を見ていない
- 商品メーカーが「売れる商品」を中心に選定
- 「セット内容」が先にあり、現場ニーズが後付け
理由2:被災者の声が断片的にしか伝わらない
- メディアは「衝撃的な瞬間」を切り取る
- 「実際は何が困った」は記事になりにくい
- SNSの口コミも、数日後には流れて消える
理由3:「煽り」が情報の中心になっている
- 「これがないと家族が死ぬ」のほうがクリックされる
- 結果、淡々と本当に役立つ情報が埋もれる
私自身、被災地に立つ前は、ネットで「防災グッズおすすめ」を調べて分かったつもりでいました。でも、現地に着いた瞬間に、それが机上の知識だったと痛感しました。
西日本豪雨の被災地で、私が見て感じた3つの教訓
ここからが、この記事の核です。私が現場で「本当に必要だった」と確信した教訓を3つ、率直にお伝えします。
教訓1:水は「飲む」より「使う」量が圧倒的に多い
ネット記事を見ると、水は「1人1日3L」と書かれています。これは飲料水の量。でも現場では、
- 泥に汚れた手や顔を洗う
- 食器を洗う
- 簡易トイレに水を注ぐ
- 子供のおむつ替えで使う
など、「使う」水のほうが圧倒的に多かったのです。
ある被災者のお母さんが、お子さんに「ジュースは我慢して」と言いながら、貴重なペットボトルの水で身の回りを清拭していた光景は、今でも忘れられません。
教訓2:トイレ問題が一番深刻だった
「水」「食料」は備蓄されている家庭が多かったのですが、トイレだけは備えていない方がほとんどでした。
下水道が止まった瞬間、家のトイレは使えなくなります。数日経つと、衛生環境は急速に悪化し、感染症リスクが高まります。
簡易トイレ(凝固剤付きの袋)を準備していた家庭は、当日から普段通りの生活リズムを保てていました。一方、準備がなかった家庭は、屋外の仮設トイレに長蛇の列。プライバシーも衛生面も厳しい状況でした。
教訓3:「電気がない」より「情報がない」が苦しい
停電が続く中で、被災者の方々が一番不安そうにしていたのは「今、何が起きているか分からない」状態でした。
- スマホはあるが、充電できない
- 情報を取れない=家族の安否が分からない
- 行政の指示(給水所、物資配布、避難所情報)が届かない
手回し充電ラジオを持っていた一軒のおじいさんが、近所の方々に情報を共有していた光景は、まさに「情報=命綱」と感じた瞬間でした。
見落としがちな防災リュックの3つの盲点
ここからは、一般的な防災情報があまり触れない「盲点」をお伝えします。
盲点1:女性用品・子供用品が後回しになっている
市販の「防災セット」は成人男性視点で組まれていることが多く、生理用品、子供のオムツ・離乳食、抱っこ紐や子供用ヘルメットなどが抜けがちです。お子さんがいるご家庭は、家族構成に合わせて自分で組み合わせることが必須です。
盲点2:常備薬・アレルギー対応が忘れられている
被災地で、降圧剤を1週間飲めず体調を崩した高齢の方を何人もお見かけしました。持病の薬(最低3日分、できれば1週間分のローテーション備蓄)、アレルギー対応の食品、「お薬手帳のコピー」――これらは、誰かが用意してくれるものではありません。家族ごとの個別対応が必要です。
盲点3:「外に逃げる」より「家にとどまる」ためのものが7割
避難所より、自宅で耐え忍ぶ「在宅避難」のほうが、現実には多いケースです。賃貸マンション住まいの方は特にそうです。
そうなると、防災リュック(持ち出し用)だけでなく、自宅備蓄品(とどまる用)のほうが本来は重要です。
| 種別 | 用途 | 目安量 |
|---|---|---|
| 防災リュック | 避難所に持ち出す | 1人1個、最低限を72時間分 |
| 自宅備蓄品 | 在宅避難用 | 家族分 × 7日分(できれば2週間) |
「防災リュックは買ったけど、家の備蓄は何もない」という方こそ、見直しが必要です。
今からできる、無理なく続く備え方(月3,000円スタート)
「全部揃えるとなると、10万円超えそう…」と感じた方、安心してください。
私のおすすめは、月3,000〜5,000円で1年かけて揃えるスタイルです。心理的にも、家計的にも無理なく続きます。
ステップ1:今月(最重要3つから)
- 水:2Lペットボトル × 12本(約2,000円)
- 簡易トイレ:50回分(約1,500円)
合計:約3,500円
ステップ2:来月(電気と情報)
- 手回しラジオ:1台(約3,000円)
- モバイルバッテリー:大容量(約3,000円)
合計:約6,000円
ステップ3:3ヶ月目以降(生活雑貨)
- ウェットティッシュ、ヘッドライト、軍手、養生テープ、防臭ゴミ袋
- 月1,000〜3,000円ペースで追加
ステップ4:6ヶ月目(家族個別対応)
- 常備薬、子供用品、女性用品
ステップ5:1年目達成
- 防災士視点で月1の点検習慣
- 賞味期限が近い食品をローリングストックで日常消費
「今すぐ全部」ではなく「今月の1つ」から始める。これが続けるコツです。
被災地の現場で「本当に役立った」具体アイテム10選
ここからは、被災地で実際に「これがあって助かった/これがあれば助かった」と語られていた10アイテムを、防災士視点で1つずつご紹介します。各アイテムにはAmazon・楽天市場の検索リンクを併設しています。
01. 長期保存水(2L × 6本ケース)
- 一行結論:飲む・使う両方をカバーする、最も優先度の高い1品
- 被災地の現場で:給水車が来るまでの3日間、これがあるかないかで家族の動きが全然違っていた
- 防災士の視点:保存期間5年以上のものを選ぶ。月1で備蓄量を点検し、足りなければ補充
- 注意点:重量がある(2L × 6 = 12kg)、収納場所を事前に確保
ITEM 01 / 水
長期保存水(2L × 6本ケース)
保存期間5年以上のものを選ぶ。家族4人で7日分なら7ケース(42本)が目安。重量があるため、複数の場所に分散保管が現実的。
※ 外部サイトの検索結果に移動します
02. 簡易トイレ(凝固剤付き、50回分以上)
- 一行結論:「想像以上に深刻」だったのがトイレ問題
- 被災地の現場で:下水道復旧まで5日間、これがない家庭は屋外の長蛇の列
- 防災士の視点:凝固剤+汚物袋+防臭袋の3点セットになっているものを選ぶ
- 注意点:家のトイレに装着するタイプが現実的
ITEM 02 / トイレ
簡易トイレ(凝固剤付き、50回分以上)
凝固剤+汚物袋+防臭袋の3点セットを選ぶ。家のトイレに装着できる袋タイプが現実的。家族4人で7日分なら140回分が目安。
※ 外部サイトの検索結果に移動します
03. 手回し充電ラジオ(スマホ充電機能付き)
- 一行結論:「停電 × 情報遮断」を同時に解決
- 被災地の現場で:1台のラジオを近所で共有する光景に何度も出会った
- 防災士の視点:手回し+ソーラー+USB の3way が便利。スマホ充電も忘れずに
- 注意点:単四電池の予備も一緒に
ITEM 03 / 情報
手回し充電ラジオ(スマホ充電機能付き)
手回し+ソーラー+USBの3way充電対応モデル推奨。AM/FM対応、スマホ充電端子(USB-A/USB-C)付き。LEDライト内蔵だと便利。
※ 外部サイトの検索結果に移動します
04. LEDヘッドライト(両手が空くタイプ)
- 一行結論:夜間の作業・トイレ・移動に役立つ、懐中電灯より便利
- 被災地の現場で:瓦礫の中を歩くとき、手が塞がっていない安心感は大きい
- 防災士の視点:充電式+電池式 のハイブリッドが理想
ITEM 04 / 照明
LEDヘッドライト(両手が空くタイプ)
充電式+単四電池両対応のハイブリッドモデルが理想。明るさ200ルーメン以上、防水機能(IPX4以上)。家族の人数分用意したい。
※ 外部サイトの検索結果に移動します
05. モバイルバッテリー(大容量 20,000mAh以上)
- 一行結論:スマホが命綱、その命綱の命綱
- 被災地の現場で:充電1回で家族みんなが SNS で安否確認できる
- 防災士の視点:ソーラー充電対応モデルなら長期停電にも対応
ITEM 05 / 電源
モバイルバッテリー(大容量 20,000mAh以上)
iPhoneを5〜6回フル充電できる容量。PSEマーク(日本の安全規格)取得品を選ぶ。ソーラー充電機能付きなら長期停電にも対応可能。
※ 外部サイトの検索結果に移動します
06. 大判ウェットティッシュ(厚手・ノンアルコール)
- 一行結論:「水が貴重な状況」での清潔保持の主役
- 被災地の現場で:手洗いができない状況で、ウェットティッシュの有無で衛生感が一変
- 防災士の視点:ノンアルコール(赤ちゃんOK)と除菌アルコール の両方あると◎
ITEM 06 / 衛生
大判ウェットティッシュ(厚手・ノンアルコール)
赤ちゃんOKのノンアルコール大判と、除菌アルコールの2種類を備える。1パック60枚入り以上、家族4人で5パック程度。
※ 外部サイトの検索結果に移動します
07. 軍手・革手袋セット
- 一行結論:瓦礫・割れガラス・釘から手を守る
- 被災地の現場で:ボランティアでも被災者でも、手袋なしの作業は危険
- 防災士の視点:滑り止め付き+革手袋 の2種類を1セットに
ITEM 07 / 保護
軍手・革手袋セット
滑り止め付き軍手と、釘やガラス片から手を守れる革手袋(または合成革)の2種類を1セットに。瓦礫撤去や応急処置でフル稼働。
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08. 養生テープ(幅広・粘着力強め)
- 一行結論:割れた窓・破れたカーテンレール・荷物の補強、応用範囲が無限
- 被災地の現場で:「ガムテープより養生テープ」、剥がしやすく跡が残らない
- 防災士の視点:1巻きで様々な用途、コスパも良好
ITEM 08 / 補修
養生テープ(幅広・粘着力強め)
ガムテープでなく「養生テープ」を選ぶこと。剥がしやすく跡が残らず、応用範囲が無限。50mm幅×25m前後が使いやすい。
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09. 防臭ゴミ袋(BOS等)
- 一行結論:「廃棄物の臭い」は3日目から急速に深刻化
- 被災地の現場で:簡易トイレの汚物処理に、防臭がないと家中が臭う
- 防災士の視点:赤ちゃん用おむつ用の防臭袋が特に高性能
ITEM 09 / 廃棄
防臭ゴミ袋(BOS等)
赤ちゃんオムツ用として開発された防臭袋(BOSシリーズが代表)が、簡易トイレの汚物処理にも最高性能。家族4人×7日で60〜100枚。
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10. 救急セット(持ち運び用ポーチ入り)
- 一行結論:「いつもの薬が飲めない」は、想像以上にストレス
- 被災地の現場で:降圧剤・血糖値薬・喘息薬を持っていない高齢の方が苦しんでいた
- 防災士の視点:お薬手帳のコピー+3日分の処方薬 を防災リュックに
ITEM 10 / 救護
救急セット(持ち運び用ポーチ入り)
絆創膏・包帯・消毒液・ピンセット・はさみ等の基本セット。家族の常備薬と「お薬手帳のコピー」を一緒に入れる。コンパクトポーチが便利。
※ 外部サイトの検索結果に移動します
よくある質問(FAQ)
Q1. 防災リュックは家族の人数分、必要ですか?
はい、原則として人数分用意してください。ただし、子供用は重量と中身を子供サイズに調整します。4歳のお子さんなら、500g以下の軽量リュックに、自分の好きな小さなぬいぐるみと水・お菓子・ヘッドライトだけでも十分です。「自分のリュック」という所有感は、災害時の心の支えにもなります。
Q2. 賃貸マンションでも備蓄できますか?
できます。むしろ賃貸マンションは「在宅避難」の重要性が高いケースが多いので、備蓄スペースを確保したいところ。クローゼットの一角、ベッド下、玄関収納の上段など、「日常使わない場所」をうまく活用する方法があります。詳しくは「マンション住まいの防災備蓄ガイド」もご覧ください。
Q3. 防災リュックの値段の相場は?
市販の防災セットは、1人用で 7,000〜30,000円が一般的です。ただ、私が現場を見た経験から言うと、市販セットは内容が一律で、家族構成に合わない場合が多いです。最初に5,000円程度の基礎セットを買い、不足品を月3,000円ペースで補充するスタイルが、長く続きます。
Q4. 子供向けには何が違いますか?
4歳前後のお子さんなら、「重さ・サイズ・好きなもの」の3軸で見直してください。重さは本人体重の10%以下が目安(15kgなら1.5kg以内)、サイズは体に合った小さめのリュック、好きなものは好きなキャラのお菓子・ぬいぐるみ1つを必ず入れる。これは「心理的な安心」のためです。被災時、子供は大人以上にストレスを感じます。
Q5. ローリングストックって難しくないですか?
最初は私も「面倒そう」と感じました。でも、実は「普段の買い物に1〜2個多めに入れるだけ」です。賞味期限が近い順に消費し、消費したら買い足す。スーパーで月1回、防災用品コーナーに立ち寄るルーティンを作るだけで、自然に回ります。詳しくは「ローリングストックを続けるコツ」でも解説しています。
Q6. ペットがいる場合はどうすればいいですか?
ペットは「家族」ですので、人と同じくらい慎重に備えます。水(ペット用に別途準備、人と同じ水でOK)、フード(常食している銘柄を1週間分)、キャリーケース(避難時にも使える)、リード、ペット用ヘルメット、お薬手帳のペット版、フンの始末用品。避難所はペット同伴可・不可があるので、自治体のハザードマップ等で事前確認を。
Q7. あおき防災士は、今どんなリュックを使っていますか?
私自身は、上記の10アイテムを2つのリュックに分けています。メインリュック(持ち出し)には水2本、簡易トイレ20回分、ラジオ、ヘッドライト、モバイルバッテリー、ウェットティッシュ、軍手、養生テープ、防臭ゴミ袋、常備薬。サブリュック(自宅備蓄、車に積載)には水ストック、保存食、追加の簡易トイレ50回分。両方を「月1の防災の日」に点検しています。私の場合、毎月20日を点検日に決めています。皆さんも、自分の生活サイクルに合うタイミングで習慣化してみてください。
まとめ:あなたの家族の「未来」を守る、最初の一歩
結論を改めて。
被災地で本当に必要だったのは「水・トイレ・情報」の3つ。これらを家族分そろえることが、72時間を乗り切る土台になります。
そして、私からの最後のメッセージです。
「全部揃える」前に、まず「今月の1つ」から始めてください。
完璧を目指すと、たいてい途中で疲れてやめてしまいます。月3,000円、1年かけて揃える。これが、煽らない、無理なく続く防災です。
「家族の安全を、無理なく着実に守りたい」あなたへ。今日、できることから始めましょう。
著者プロフィール
あおき防災士(青木 大喜)
公式
鳥取県米子市出身。高校1年の夏に父と一緒に平成30年7月豪雨の被災地ボランティアに参加した経験から、防災と向き合うことを誓う。その後、防災士の資格を取得。
得意領域:家庭世帯の防災備蓄・避難計画・水害対策
運営方針:煽り訴求・誇大表現はせず、人命・家族の安全を最優先に正確な情報のみを発信。アフィリエイトリンクの収益はサイト運営費用に充当。
詳しいプロフィール:このサイトについて
次は「判断する」ステップ。市販の防災セット、買うべきか自作すべきか、煽らず正直に検証します。
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STEP 02:判断する。
「防災セットは買うべき?」と迷っている方へ。市販セット vs 自作の正解を、煽らず正直に検証した1本です。
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