「防災セット、買おうかどうか迷っている…」「ネットで『防災セットいらない』って書いてあったけど、本当のところはどうなの?」――そんな疑問をお持ちのあなたへ。
こんにちは、防災士のあおき防災士(青木 大喜)です。被災地ボランティアの現場で、市販の防災セットを持っていた家庭、自分で揃えた家庭、両方を見てきました。
「いらない」も「いる」も、両方正しい場合があります。今日は中立な立場で検証していきます。
結論から言うと、「防災セットいらない」は半分本当で、半分は誤解です。この記事では、煽らず誠実に検証していきます。
- 「防災セットいらない」と言われる3つの理由
- 市販セットをおすすめしない4つのシーン
- 逆に、市販セットが役立つ3つのシーン
- 自分で揃えるなら、最低限の10品リスト
結論:「防災セットいらない」は半分本当、半分誤解
先に結論を整理します。
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| 状況 | 市販の防災セット |
|---|---|
| 家族構成が一般的(2〜4人家族) | △ 必須ではないが、入口としてはアリ |
| 家族構成が特殊(乳幼児・高齢者・ペット) | × セットでは足りない、個別対応必須 |
| すでに自宅備蓄ができている | × 重複買いになるだけ |
| 「とにかく始めたい」「考えたくない」 | ○ 行動のきっかけとしてアリ |
| 賃貸で収納が極端に少ない | ○ コンパクトに最低限揃う |
つまり、「いらない」とも「必要」とも一概には言えません。家族構成と備蓄状況によって答えが変わります。
なぜ「防災セットいらない」と言われるのか3つの理由
理由1:中身が「平均的すぎる」
市販の防災セットは「不特定多数向け」に作られています。そのため、
- 子供のオムツ・離乳食は入っていない
- 女性の生理用品は最小限
- 常備薬・アレルギー対応はゼロ
- ペット用品は当然なし
家族構成に合わない部分は、結局自分で追加するしかない。「セットを買えば終わり」ではないのです。
理由2:価格に「ブランド料」が乗っている
市販の防災セット30,000円の内訳を細かく見ると、同等品を個別にホームセンターやスーパーで買えば15,000〜20,000円で揃うことが多い。
「防災用」と書かれた瞬間、価格が上乗せされる。これは事実です。ただし、選ぶ手間と時間を金額換算すると、必ずしも損とは限りません。
理由3:「賃貸物件オプション」のセットは特に注意
賃貸契約時に勧められる「防災セット」は、内容物が乏しいわりに割高な場合があります。「契約書にハンコを押すついで」で買うのは要注意。
不動産業界の一部では、防災セットがオプション収益の手段になっていることもあります。冷静に内容物と価格を比較してから判断を。
市販の防災セットをおすすめしない4つのシーン
シーン1:すでに自宅備蓄を始めている
すでに水・食料・トイレ・ラジオ等を揃え始めているなら、防災セットを買っても重複するアイテムが多くなる。不足品だけ買い足すほうが合理的。
シーン2:乳幼児・高齢者・要介護者・ペットがいる
市販セットでは絶対に対応できない部分があります。最初から個別対応を前提に、自分で組むほうがいい。
シーン3:選ぶ時間も予算もある
「内容を吟味する時間がある」かつ「金額にこだわりがある」なら、自分で揃えるほうが質と価格で勝る場合が多い。
シーン4:賃貸契約時の押し売り系セット
「契約のついで」で勧められる5,000〜10,000円の防災セットは、内容が乏しいことが多い。よく比較してから判断を。
逆に、市販の防災セットが役立つ3つのシーン
シーン1:とにかく「行動のきっかけ」が欲しい
「何から始めたらいいかわからない」と固まっているなら、市販セット1個買うことで第一歩が踏み出せます。完璧でなくていい、まず動くこと自体に価値があります。
シーン2:賃貸の収納スペースが極端に少ない
1Kマンション等、収納スペースが極端に限られる場合、コンパクトにまとまった市販セットの「リュック1個に集約されている」設計は合理的。
シーン3:選ぶ知識・時間がない
仕事や育児で忙しく、自分で品目を吟味する時間がない場合、市販セットは「時短」の価値があります。ブランド料は時間代だと割り切る考え方もアリ。
防災士が考える「セット買い」の正解
結局のところ、私が現場経験を踏まえて出した答えは次のとおりです。
- 第1段階:市販の防災セット(5,000〜10,000円程度)を「入口」として買う。これで最低限の防災リュックは完成。
- 第2段階:家族構成に合わせて追加(子供用品・常備薬・女性用品・ペット用品)。
- 第3段階:「在宅避難」用の自宅備蓄を月3,000〜5,000円で1年かけて揃える。
この3段階で進めれば、「市販セット買っただけで満足」も避けられるし、「自分で全部組まないと…」と挫折もしにくい。
大事なのは「セット買い vs 自作のどちらかが正解」ではなく、「あなたの状況に合った組み合わせを選ぶ」ということです。
自分で揃えるなら、最低限の10品リスト
「自分で組みたい」という方のために、被災地経験から「これだけは絶対」と確信した10品をお伝えします。
| # | アイテム | 目安価格 |
|---|---|---|
| 1 | 長期保存水(2L × 6本) | 約1,500円 |
| 2 | 簡易トイレ50回分 | 約1,500円 |
| 3 | 手回し充電ラジオ | 約3,000円 |
| 4 | ヘッドライト | 約1,500円 |
| 5 | モバイルバッテリー(大容量) | 約3,000円 |
| 6 | 大判ウェットティッシュ | 約500円 |
| 7 | 軍手・革手袋 | 約500円 |
| 8 | 養生テープ | 約300円 |
| 9 | 防臭ゴミ袋(30枚以上) | 約1,000円 |
| 10 | 救急セット+常備薬 | 約1,500円 |
| 合計 | 約14,300円 |
市販セット30,000円と比べて、半額以下で同等以上の中身が揃います。詳しい解説は非常持ち出し袋に本当に必要なもの10選を参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 防災セットを買うなら、何を見て選べばいい?
① 中身が一覧で公開されているか
② 1人用 vs 2人用 vs 4人用が明確か
③ 簡易トイレ・ラジオ・水が含まれているか
④ 価格が同等品の合計より2倍以下か
これらをクリアしているセットなら、入口としてはアリです。
Q2. 数万円する高級セットは買う価値ある?
「内容を吟味できる」「予算に余裕がある」「ブランド信頼性を重視する」方には選択肢としてアリ。ただし、被災地で「セットが高級だから助かった」というケースは私は見たことがありません。高ければ良い、というものではないのが防災です。
Q3. 「ローリングストック」と「防災セット」、優先するべきはどっち?
順序としては「① 防災セット(持ち出し用)→ ② ローリングストック(自宅備蓄)」。まず緊急時の持ち出しを最低限揃え、その後で自宅備蓄を増やすほうが、心理的にも続けやすいです。
Q4. あおき防災士は市販セットを使っている?
私自身は自作派です。ただし、家族や友人に「とにかく今すぐ防災始めて」と言うときは、市販セット5,000円程度のものをまず勧めることもあります。「動き出すきっかけ」としての価値はあると思っています。
Q5. 「絶対必要」「最強」と謳う防災セットの広告、どう見ればいい?
「最強」「絶対」「必須」のような表現は、景品表示法的にもグレーゾーンです。そういう煽り広告で売られているセットほど、中身が実態に合っていないことが多い。冷静に、中身と価格を見比べてください。
Q6. 防災セットを買った後、何を追加すべき?
① 家族構成に合わせた個別対応品(オムツ、生理用品、常備薬、ペット用品)
② 自宅備蓄品(水・食料・簡易トイレを家族 × 7日分)
③ 家具固定グッズ(突っ張り棒、粘着マット)
この3つを追加すれば、市販セット+自作の「ハイブリッド」が完成します。
Q7. 一度買った市販セット、何年使える?
水・食料は3〜5年で要更新。ラジオ・ヘッドライト等の電子機器は5〜7年が目安。「買って終わり」ではなく、年1回の点検と入れ替えが必須です。
まとめ:あなたに合う「セット買い vs 自作」の選び方
「防災セットいらない」は半分本当、半分誤解。
本質は「あなたの家族構成と状況に合っているか」。市販セットを入口として使い、家族個別対応と自宅備蓄を順次追加する「ハイブリッド戦略」が、私の現場経験から見て最も現実的です。
大切なのは、煽る広告に流されず、自分の家族にとって本当に必要なものを冷静に選ぶこと。この記事がその判断材料になれば嬉しいです。
▼ 次に読んでほしい記事
- 非常持ち出し袋に本当に必要なもの10選|被災地で防災士が見た現実
- 賃貸マンション4人家族の防災備蓄|在宅避難で本当に揃えたい10カテゴリ
- 「ローリングストックやめた」理由と続けるコツ(近日公開)
著者プロフィール
あおき防災士(青木 大喜)
鳥取県米子市出身。高校1年の夏、父と平成30年7月豪雨の被災地ボランティアに参加。煽り訴求はせず、人命・家族の安全を最優先に、被災体験者×防災士の立場から正確な情報のみを発信。詳しくはこのサイトについてを。
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